早崎法律事務所

自動車保険―弁護士特約について

任意保険の中には、
交通事故の示談交渉を弁護士に委任する際、
高額な弁護士費用を保険で支払ってもらうために
「弁護士費用担保特約(以下、弁護士特約)」という
オプションが用意されているものがあります。

解決までの過程で、
弁護士による専門的なアドバイスは
交渉を進めていくうえで有利になることがあるので、
弁護士に依頼するメリットと、
弁護士特約についてご紹介します。

「弁護士特約」とは

弁護士に相談・依頼するのは、
どのような事案であれ
弁護士費用が発生するものです。

しかし、
日常生活で弁護士を関わる機会がなければ、
弁護士費用がどの程度発生するものなのか
見当がつかないという方も多いのではないでしょうか。

ましてや交通事故というトラブルに巻き込まれて、
精神的・体力的にも大きな負担を抱えている時に、
お金の心配までしなければならないのは
被害者にとっては酷な状況であるといえます。

そんな時にぜひ活用していただきたいのが
任意保険のオプションに付帯されている
「弁護士特約」です。

最近では、任意保険に加入するおよそ8割の方が、
弁護士特約をつけているというデータもあります。

また、弁護士費用は、
多くの場合300万円以下なら保険会社が負担してくれます。

死亡事故などのような重大な事故であれば、
300万円を超えるケースもありますが、
一般的な傷害事案では弁護士費用が3
00万を超えることはほとんどありません。

弁護士に依頼するメリット

示談金は3つの基準をもとに算定を行います。

①自賠責保険基準
②保険会社基準
③裁判所基準

加害者側の保険会社が
被害者にはじめに提示する示談金は
②の保険会社基準で算定された金額です。

これは裁判所基準に比較すると非常に低く、
不満を持つ被害者の方は非常に多いのです。

しかし、弁護士なら過去の裁判例に即した
③の裁判所基準をもとに算出した金額で
交渉を進めてくれます。

およその金額は事案によって異なりますが、
100~200万単位で増額されるケースもあります。

保険会社が提示する示談金額に納得がいかなければ、
一度弁護士に相談してみましょう。

もし、弁護士が提示する示談金額に
保険会社が了承しなければ、
訴訟を起こして徹底的に戦ってくれます。

保険会社もそのようなことは把握しているので、
弁護士が交渉役になったら、
増額して交渉することが多いのが実態です。

裁判になると和解までに早くて半年以上かかります。
示談交渉の段階で解決を図ったほうが双方ともにメ
リットがあるといえます。

保険会社は、業務上、交通事故の
示談をしているので交渉には慣れているのに対し、
法律について詳しく把握していない被害者が、
保険会社と公平な立場で交渉を進めるのは困難です。

その点、交通事故の対応に慣れている弁護士なら、
慣れない交渉事でも安心して任せられます。

弁護士特約が使えないケースもある

以上のように、弁護士特約は交通事故に
遭った被害者にとって強い味方になりますが、
交通事故の加害者は、弁護士特約は使えません。

また、たとえ被害者でも
弁護士特約を使えないケースとして以下の例があります。

・地震や津波などの天災が原因で発生した事故
・被害者に故意または重過失があったとき
・被害者が飲酒運転や無免許運転をしていて、安全運転ができない状況であったとき

被害者に過失があっても弁護士特約を使えることもあります。

被害者が停止中に自動車と接触した
いわゆる「もらい事故」なら、
過失割合は10:0で被害者は当然に
弁護士特約を使えますが、9:1あるいは8:2などで、
被害者にも多少の過失が認められた場合でも
弁護士特約を利用することはできます。

どの程度が「故意または重過失」であるか、
判断が難しいところではありますが、
ポイントは、
「保険会社が示談交渉できるかどうか」で、
交渉ができると判断されれば、
弁護士特約を利用できます。

被害者でも過失が認められた場合や、
被害者の行為が故意・重過失の判断が
つかない場合は保険会社に問い合わせて
弁護士特約の利用が可能かどうかを
確認してみることをおすすめします。

交通事故に詳しい弁護士を選ぶこと

もし弁護士に依頼するなら、
交通事故の示談交渉や調停・裁判などの経験が
豊富な弁護士に選ぶことをおすすめします。

交通事故の被害者は弁護士特約を利用して
示談交渉を進めたい場合、
任意保険を契約している保険会社から
交通事故に強い弁護士を紹介してくれることもあります。

とはいえ、
弁護士を選ぶ権利はあくまで契約者にあるので、
知人の弁護士や会社顧問の弁護士など
日頃お世話になっている弁護士、
あるいは交通事故に強い弁護士を
自ら選んでみても良いでしょう。

なお、弁護士特約は任意保険の基本料とは
別に料金が発生します。
契約内容にもよりますが、
年間で1,600円程度が一般的です。

月々100円強だけでいざというときの
高額な弁護士費用に備えられる点を考えれば、
とてもお得な金額といえます。

現在加入している任意保険に弁
護士特約がついていなければ、
ぜひとも加入しておきましょう。

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